ロングツーリング前に取り入れたいストレッチ

ここを伸ばせば違う!部位別ストレッチ解説

ロングツーリングは楽しい反面、長時間の同じ姿勢や振動で身体に負担がかかります。そんなときこそストレッチが効果的。まず意識したいのが「どの部位を伸ばすか」です。

特に首まわりはヘルメットの重みと前傾姿勢でこわばりやすく、軽く左右に回したり傾けたりして可動域をゆっくり広げておきたいところです。肩や背中も張りが出やすいので、肩甲骨を寄せるように腕を回す動きが有効です。

腰や股関節まわりも忘れずに。バイクは脚を開いた状態で長時間乗るため、ハムストリング(太ももの裏)やお尻の筋肉を伸ばしておくと、疲労がたまりにくくなります。また、手首や前腕もクラッチ・ブレーキ操作で疲れやすいため、指を反らせるような動きでほぐしておくのがポイントです。

全体的に「大きく動かす」「ゆっくり伸ばす」という意識が大切。ライディング前に数分でも意識的に動かしておくと、その後の快適さがまったく違ってきます。

出発前・走行中に効くストレッチ手順

ストレッチには大きく分けて「動的ストレッチ」と「静的ストレッチ」があります。出発前は体温を上げるため、動きをつけたストレッチがおすすめです。たとえば、腕を大きく回す、前後にゆっくり脚を振る、胴体を左右にひねるといった動きで身体を温めておくと、乗車時の可動域が広がります。

一方、休憩時には静的ストレッチを取り入れると良いでしょう。足を前に投げ出して、つま先をつかむように前屈する動作や、壁に手をついてふくらはぎを伸ばすストレッチは、脚の血行促進にもつながります。

また、停車中にシートを降りて背筋を伸ばすだけでも体のリセットになります。時間がなくても2〜3分あれば十分。無理に伸ばそうとせず、呼吸を止めないことがコツです。気持ちいいと感じる範囲で、無理なく続けることが何より大切です。

信号待ちや給油中に、肩を軽く回したり首を傾けたりするだけでもリフレッシュになります。短時間でも「やる・やらない」の差は大きいですよ。

やり続けるとこう変わる!ストレッチの効果とポイント

ストレッチの効果は即効性だけでなく、継続による変化にも注目です。ツーリング前後にストレッチを取り入れることで、疲労の蓄積が和らぎ、腰痛や肩こりの予防にもつながります。特に中高年ライダーの場合は柔軟性が落ちてくるため、ストレッチの有無で体調に大きな差が出てきます。

また、身体が軽く動くと集中力も持続しやすくなります。長時間の運転でボーッとしてきたときこそ、ちょっとしたストレッチが良いリフレッシュになります。慣れてくれば信号待ちの間に肩を回すだけでも効果を感じられるはずです。

加えて、定期的に動かすことで体の動きがスムーズになり、結果としてライディング中の疲労感そのものも減っていきます。意識しなくても体が自然と動くようになると、走るのがもっと楽しく感じられるでしょう。

最後に、ストレッチは習慣にしてこそ意味があります。特別な道具もいらず、場所も選びません。まずは「乗る前に一つだけやる」と決めて始めてみてください。