ブランド工具を持つというあこがれ
当店に修理を依頼されてくるお客さんに対して、私が個人的におすすめをしているのが自分でできるメンテナンスを自宅でもできるようにするための工具購入です。
バイクは自動車と違って所有している人が自分でいじれるパーツの範囲が広く、慣れてくればかなりのことを自力でメンテナンスできるようになります。
もっとも全てのバイク所有者が全てのメンテナンスをできるようになってしまうと私のような修理工の仕事がなくなってしまうのでそれはそれで困るのですが、私自身がバイク初心者の頃に先輩ライダーさんたちからメンテナンス方法を教えてもらうことでバイク愛に目覚めた経験があるもので、つい他のライダーさんにも勧めたくなってしまいます。
エンジンのオーバーホールのようなかなり大掛かりな修理になるとさすがに専用の機材のある修理工場でないと対応は難しいのですが、それ以外の例えばソケットやランプといった消耗品の交換くらいなら、基本的な工具があればほとんどのことはできてしまいます。
ただしそうした作業も全く素手でできるわけではなく基本工具がいくつかないといけませんので、そうしたときのために一式を自宅に揃えておくことをおすすめしているというわけです。
安い工具と高い工具の違い
しかしそうしたおすすめを素直に聞いていただいたお客さんから次によく質問をされるのが「高い工具と安い工具のどっちを買ったらいいの?」ということです。
なるほど確かに工具カタログを見てみると、海外の有名メーカーである「Snap-on」や「STAHBILLE」といったところのツールボックスは一式で10万円を超えるような品もぞろぞろと出てきます。
一方で量販型のホームセンターなどに行くと、そうした有名ブランド工具のものと内容はほとんど変わらないのに数千円くらいでセット購入ができたりします。
安い工具と高い工具の何が違うかというと、簡単に言うとその工具への「こだわり」です。
例えば同じレンチであっても、実際に握って動かしてみるとその工具ごとに個性があるということがわかります。
安いものは使っている鉄も重く、メッキも安く仕上げてあるのでなんとなく見た目もチープに感じられます。
高い工具になると手のひらの中に入れた瞬間からしっくりとなじみ、すごく動かしやすいということがわかります。
ボルトの開閉に関する精度は実のところ高級工具と安い工具とではそれほど違いがないのですが、使用をするときのなじみ感のようなものがやはり価格によって格段に違ってきます。
ブランド工具は買い取りをしてもらうこともできます
もう一つブランド工具についてよくお客さんから聞かれる質問が、もし自宅で不用になった場合何十万もするような工具も廃棄しないといけないのかということです。
一度使用した工具は要らなくなったら捨てるしかないと思っている人もいるようですが、決してそんなことはありません。
現在では高級ブランド工具を中心に買取をしてくれるショップも出てきていますので、もし引っ越しなどでバイクを手放さないといけなくなったときにも安心です。
ブランド工具は一般のホームセンターなどでの買い取りよりも、買取専門店に依頼した方が断然高価買取してもらいやすくなっています。
上記サイトなどは買取相場の参考を確認するためにも大変便利ですので、これから購入したい工具があるという人などはぜひ見てみてください。