スズキのチョイノリが電動化で復活!?

スズキのチョイノリとは

スズキの「チョイノリ」は、2003年に発売された独特なスタイルとお手ごろ価格で知られる原付スクーターです。
その名の通り、ちょいと乗るのにぴったりの日常的な移動に特化したコンセプトが人気と話題を集めました。

当時の原付スクーターとしても驚きの低価格で提供されたことも注目の理由です。
定価が6万円を切るほどの安さでしたが、この価格は車体やエンジンの構造を簡素化し、部品点数を大幅に削減することで実現されました。
具体的には、リアサスペンションの廃止、メットインスペースや燃料計の廃止、キーシリンダーの省略、ヘッドライトの単灯化といった簡素化です。

チョイノリはこのような簡素化を随所に図りながらも、実用的な機能を備えていました。
30km/h定地走行テストで76km/Lの燃費性能を達成している点も大きな特徴です。
その低価格と燃費性能に加え、ユニークなデザインも人気の理由でした。
2007年8月には日本国内での生産が終了しましたが、中古市場では今もなお人気があり、多くのファンに愛されています。

e-チョイノリとして復活

そんなチョイノリがこのたび「e-チョイノリ」として生まれ変わりました。
これは先に紹介した「チョイノリ」の電動版として新たに開発されたモデルです。
もともとのユニークなスタイルと特徴を引き継ぎつつ、現代の電動化トレンドに合わせたアップデートが各所に施されています。

「e-チョイノリ」の最大の特徴は、その動力源です。
このバイクは従来のガソリンエンジンを電動ユニットに置き換え、パナソニックサイクルテック製の電動アシスト自転車の部品を採用しています。
これにより、原付一種相当のEVスクーターとしての性能を備え、都市部での短距離移動に最適なエコフレンドリーな乗り物に生まれ変わりました。

外観に関しては、オリジナルの「チョイノリ」の愛らしいデザインをほぼそのままに、いくつか細部にリメイクが施されています。
パネルデザインは細かく見直されているものの、クラシックで親しみやすいスタイリングはもとのチョイノリのままです。

そのほかに注目すべき点としては、原付一種相当と位置付けられていることが挙げられます。
つまり、通常の原付バイクと同じように30km制限での走行です。
近年注目されている電動キックボードなどの特定小型原動機付自転車とは異なり、通常の道路交通環境においても安心して利用できる点が大きな利点でしょう。

このように、「e-チョイノリ」は、その環境に優しい設計と都市部での日常使いに最適な性能で、新たなライフスタイルを提案しています。
スズキの伝統的なデザインを継承しつつ、現代のエコ意識とモビリティニーズに応える新しい時代のスクーターです。