パイクスピークが面白い

パイクスピークについて

パイクスピークは、世界で二番目に訪れる人が多いと言われているアメリカ・コロラド州にある山のことです。
標高は4,300m(14,000フィート)の高山地帯となっており、周辺にはどこまでも広がるような絶景と鉱山鉄道があります。
山に登るだけで冒険を楽しむことができる場所とも言われており、日本からも多くの観光客が訪れている山です。

北米旅行の目的地としても旅行代理店から多く提示されることもあるパイクスピークですが、自動車用語としてもよく使われているのを見かけます。
モータースポーツの場面で出てくるパイクスピークというのは、PPIHC(パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム)という有名な大会のことで、標高2,862m地点からスタートして頂上までの標高差1,439mを一気に駆け上がるというコースになっています。
このコースでは途中のコーナーは156あり、ガードレールしかないような急カーブを猛スピードで駆け抜けていく様子は見ているだけでもヒヤヒヤしてしまいます。

2018年で第96回を迎えているPPIHCは現地時間6月24日(日)に決勝戦を迎えました。
2017年には佐藤琢磨選手が優勝したということで、日本でも控えめに報道をされています。

ちなみにこのパイクスピークはモーター・スポーツとしては世界で2番めに長い歴史があります。
1914年からの最も古い大会であるインディアナポリス500マイルレースの2年遅れの1916年に第一回大会が開催されました。

バイクスピークの魅力について

パイクスピークの最大の魅力は、なんといっても危険な絶景を全力で疾走する自動車やバイクの様子にあります。
日本においては考えられないことですが、コースの途中にはほとんど垂直と行っていいような谷間がある中を、低めのガードレールのみでコースを作っているのです。

実際に大会の様子を見ているとそんな危険なガードレールにもギリギリでカーブを攻める一流ドライバーたちの姿が見られます。
文字通り命を賭けたレースと言っても良く、実際に走行したライダーの感想として「ゴールをしたときに最初に確認するのはタイムではなく自分がまだ生きているか」という言葉を残しています。

年々競技における安全性を重視する傾向にあるモーター・スポーツにあってこのPPIHCがまだ存在しているという意味は「レースとは本来危険なものである」という原点を忘れたくない人が多くいるということでしょう。

危険なコースを走行することにより、モーター・スポーツを制するために最も重要な「勇気」を問われることになります。
実際、PPIHCでは毎年のようにレースレコードが誕生しており、世界中から大手自動車メーカーがその技能を競って最新の車種を投入しています。

ライダーの技能だけでなく安全な自動車の性能が試されるという意味で、世界一を決める大会と言ってもよいでしょう。