小型自動二輪免許が簡単に取れる?

小型自動二輪の免許、簡単?

日本では小型自動二輪の免許というと、二輪免許として取得しなければならないとされてますが、昨今、原付2種と呼ばれる125ccバイクに乗るための免許取得に関して、簡便化するという動きもあります。これは、二輪業界、またネットでもかなり話題になっていることです。

今は、原付2種と呼ばれる小型自動二輪に乗るためには、その免許が必要です。原付1種と呼ばれる50cc未満のバイクについては、普通自動車免許を保有されている方は、誰でも乗る事が出来ます。クルマの免許におまけのようについてくるのが原付1種で、こうした簡素的な事があるから、原付は爆発的に多くの方がユーザーとなったのです。

小型自動二輪の場合、免許を取得するために時間も費用も掛かります。でもこれがもし簡便化されておまけの免許となったのなら、バイク業界としては今の低迷状態を打開する大きな刺激となるに違いないと感じます。海外はどうなのかというと、欧州、アジアなどの多くの地域で、125ccまではクルマの免許の付帯免許、つまりおまけ免許として乗る事が出来るようになっています。

発端は神戸開催のBIKE LOVE FORUMだった

2016年8月に神戸で行われたBIKE LOVE FORUMで、経済産業省の担当の方が、原付2種免許取得を従来よりも簡単にしようという取り組みについて、意欲を示す発言をしたという事が、この原付2種が普通自動車免許の付帯となるといわれるようになった発端です。

>>小型限定AT免許取得簡便化 / BIKE LOVE FORUM

これは、現行のように原付1種という車の付帯免許にするかどうかという事に言及したのではなく、運転講習の実施も含めて、安全の担保を重視し、その上で検討していくという事でした。全国オートバイ協同組合連合会、日本自動車工業会などは、ここ数年、原付2種の簡便化を警察庁などに要望し、話し合いなどを重ねていたという背景があります。そこで、こうした条件などを付けてしっかりと安全が確保できるという事で検討していく価値がある話とされたわけで、これが近い将来実現するかどうかという事はわかりません。

日本は空前のバイク不人気という状態で、若者がバイクを離れているという状態です。高年齢層は増加傾向にあるというのに、バイクの新車販売台数は1980年代の最盛期と呼ばれる時代からすると、8/1程度にまで落ち込んでいるというから驚きです。

自動車学校では二輪免許取得のプランも

低迷する二輪業界に「待った!」をかけるためか、二輪免許の取得をカンタンにする動きは、自動車学校においても普及しています。例えば、自動車免許を取得する合宿プランに対して、二輪免許を同時に取得できるオプションを付与したり、中型や大型二輪専門のプランをスタートさせたりと様々です。間口を広げて、バイク人口を増やす取組みが行われている昨今においては、免許が取得しやすいという点で恵まれていると言えるでしょう。

しかしながら、二輪業界団体は、小排気量モデルに将来を託したいという気持を持っています。というのも、小排気モデルのバイクは、年間新車販売台数の75%を締めるという状態なのです。50ccバイクは日本独自の法規制によって生まれた区分で、学生の通学、主婦の足、宅配の業務に利用等、すでに飽和状態ともいわれています。125ccバイククラスは、スクーター、ミッション付きのスポーツタイプバイクなど、非常にバリエーション豊かです。有効な移動手段ともなる背景も都市部などに持っていますので、これから先、原付2種というものが本当に実現したら、バイク業界が起爆剤となると予想するのも仕方ないと感じます。